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整備記録簿の見方を現役整備士が解説|中古車・DIY整備で損しないために知っておくべきポイント

現役整備士が整備記録簿の見方を解説します

目次

はじめに|整備記録簿って見たことありますか?

中古車を買うときや、車検のときに一緒に渡される「整備記録簿」。
みなさん、じっくり見たことありますか?

実はこれ、車の健康診断書のようなもの
「いつ、どこで、どんな整備を受けたか」がわかる、大事な書類です。

でも、いざ見ようと思っても…

  • 文字が小さい…
  • 専門用語ばかり…
  • 結局、何が書いてあるの?

と、ちょっと敬遠してしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、現役整備士として働く筆者(じゅきた)が、整備記録簿の見方をわかりやすく解説します


整備記録簿とは?基本の役割と種類を知ろう

■ 整備記録簿って何のためのもの?

整備記録簿は、法定点検や車検の際に実施された整備内容を記録した書類です。
点検を受けた証明であり、今後の整備計画の参考にもなる大切な情報です。

■ 主な種類

  • 法定点検整備記録簿(12ヶ月・24ヶ月点検など)
  • 車検整備記録簿
  • ディーラー独自の点検記録簿(用紙が異なることも)

整備工場やディーラーでは、点検時にこれらの書類が作成され、車検証ケースなどに保管されていることが多いです。


整備士が教える!整備記録簿の見るべき3つのポイント

【1】整備実施日と走行距離

「いつ、何kmで整備されたか」を見ると、その車が定期的にメンテナンスされていたかどうかが判断できます。さらに記録簿から何kmでどんな部品が交換されたかわかるため、今後の整備スケジュールが立てやすくなります。

実際の現場で整備士として作業をしていると、記録簿があると非常にありがたいですね。

特に初めて取引をするお客様では車検代が思ったよりも高かった、なんてことが往々にしてあります。今までの記録簿がある、または事前に車検の見積りを取って頂くことでトラブルを防げる可能性が高いです。

【2】整備実施者(どこで整備されたか)

以下はあくまで個人的な見解です。

  • ディーラー名・整備工場名が効いたことがある会社 → 信頼性あり
  • 押印なし・無記名 → 整備記録としての信頼度はやや低め

整備記録簿にディーラー名や地元の整備工場名が記載されていると、ある程度整備されているかな、という印象です。少なくとも車検に受かり、次の車検まで安心して乗れる整備はしているはず。

無記名や聞いたことがない会社名だったりすると車検に受かるだけの整備しかしていないんじゃないか、と疑ってしまいます。実際にそういう車両に当たったことはあります。

例えばブレーキパッドの残ミリ数も車検に受かるくらいしかない、マフラーの腐食、プラグの交換時期を大幅に過ぎてるなど

【3】作業内容の記載

  • オイル交換/ブレーキパッド交換/タイヤローテーション など
  • 「異常なし」だけでなく、交換部品の記録があれば好印象
  • 不具合の指摘や改善履歴がある場合も要チェック

中古車購入時に整備記録簿で確認すべきポイントとは?

以前、新しく車検で入庫された中古車のお客様がいました。
記録簿を見せてもらうと、走行距離ごとにきちんと整備されていて、
「このタイミングでブレーキパッドを交換しているから、今回はまだOK」など、整備の判断がスムーズにできました。

逆に、記録簿が一切ない場合、部品の状態を一つ一つ確認する必要があり、
場合によっては“予防交換”として提案するケースもあるため、費用の差にもつながることがあります。整備記録簿の有無は、その車が「どれだけ大切に扱われてきたか」を判断する材料にもなります。

■ 記録簿ありのメリット

  • 過去の整備履歴が時系列でわかる
  • 消耗品の交換タイミングが見える(=次回整備の目安になる)
  • 「メーター改ざん」や「放置車両」などのリスクを避けられる

■ 記録簿なしはNG?

必ずしも悪いわけではありません。ただし、

  • 書類が紛失されている=整備されていない可能性も?
  • 走行距離や車の状態に違和感がないかは要チェック!

記録簿の有無で判断はできませんが、「あるに越したことはない」書類です。


DIY整備でも整備記録簿をつけるメリットとは?【無料テンプレートあり】

自分でオイル交換やバッテリー交換をする方も、記録を残しておくと大きなメリットがあります

  • 売却時に「どんな整備をしてきたか」を説明できる
  • 家族や知人に譲るときにも安心材料になる
  • 自分の整備スケジュール管理にも便利

バッテリーはバッテリー自体に交換時期と交換時の距離数を書けますので、必ず書くようにしましょう。私たち整備士も必ず書いています。

もちろんエンジンオイルも同じです。

交換時期のステッカーを車内の見える位置に貼ることで、オイル交換忘れがほとんどなくなります。


📝 整備記録シートを配布中!

僕自身がブログ用に作成したDIY整備記録シート(Excel)を配布しています。
誰でもカンタンに記録できるテンプレートなので、よかったら活用してください。

日付
走行距離(km)
整備・点検内容部品名/交換有無(自分/業者)備考
2025/9/112000オイル交換 オイルフィルター交換自分次回交換目安:5000km
2025/9/1512500タイヤ空気圧チェック 自分右後輪0.2低下
2025/12/115000タイヤ交換、ブレーキパッド点検業者タイヤ残量5mm
Fパッド約8mm

例えばこんな感じで使えます。

DIY整備用ですので、このくらいさっぱりしていた方が使いやすいかと思います。


整備記録簿に関するよくある質問と注意点【整備士が回答】

Q. 整備記録簿がないと車検は通らない?
→ 答え:記録簿がなくても車検は通りますが、履歴が分かると整備や費用の見通しが立てやすく、結果的にスムーズに進むことが多いです。
特に初めてご依頼いただくお客様の場合は、記録簿があると過去の整備状況が分かりやすく、非常に助かります。

Q. 記録簿って改ざんされることある?
→ 答え:少ないですが可能性はゼロではありません。僕自身は改ざんされた記録簿は今のところ見たことはないです。中古車で記録簿がやたらキレイな場合はおかしいな、と思うかも。

Q. 最近は電子化されてるの?
→ 答え:一部ディーラーでは電子整備記録簿が導入され始めています。将来的にはスマホでも確認できる時代になるかもしれません。ちなみにうちの工場は手書きで整備記録簿は書いています。


まとめ|整備記録簿を読めると車選び・整備費用で損しない

整備記録簿はただの紙ではありません。
車がどう扱われてきたか、どんな状態なのかを読み取れる、大事な情報源です。

この記事をきっかけに、「記録簿を見る習慣」がつくと、中古車選びにも、今の愛車の管理にもきっと役立ちます。

そして、DIY整備派の方は、自分の整備も“記録に残すことで、その価値がさらに高まります。

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