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現役整備士の1日ルーティン|車検整備から営業・検査まで兼務するリアルな現場を公開

整備士と聞くと、「整備だけをしている人」というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
実際には、点検・整備だけでなく、お客様対応や見積もり、場合によっては営業業務までこなすこともあります。

この記事では、現役で指定整備工場に勤務する整備士(筆者・じゅきた)の、リアルな1日のルーティンを紹介します。
整備士の仕事に興味がある方や、車検整備の裏側を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

整備士の1日の流れ【全体スケジュール】

まずはざっくりとした1日の流れを紹介します。

1日のスケジュール

時間内容
8:20出社、朝礼、当日予定の確認
8:30〜12:00引き取り納車、車受け入れ、車検整備、一般整備
12:00〜13:00お昼休憩
13:00〜17:00整備作業、お客様対応、引き取り納車、車検検査業務
17:00〜17:30事務処理、片付け

整備士の1日は、現場と事務、そしてお客様対応がバランスよく入り混じったスケジュールです。
ここからは、それぞれの時間帯の様子を詳しく紹介します。

午前の仕事|点検・受け入れ・一般整備が中心

出社と朝礼で一日の流れを確認

朝は8:20に出社。
まずは朝礼でその日の作業予定を共有します。
車検や一般整備、引き取り納車の順番を確認し、チーム全体でスムーズに動けるよう準備します。

車の受け入れと車検前チェック

車の受け入れは、整備士にとってとても大事な工程です。
車検証の記載内容を確認し、検査員がテスターや目視で車の状態を把握します。
この時点で保安基準を満たしているか、交換が必要な部品がないかをチェック。
問題がなければリフトに上げ、分解整備へと進みます。

分解してから追加で部品交換が必要と分かることもあり、その都度部品を発注します。
この判断力と段取りが、整備士の腕の見せどころです。

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午前は電話・来店対応も多くバタバタ

午前中は飛び込みの一般整備や電話が重なる時間帯。
予定していた車をリフトに上げても、別件対応でなかなか作業が進まないこともあります。
そんな日でも焦らず、安全第一で進めることが大切です。

午後の仕事|診断・検査・お客様対応・営業も

異音や警告灯などの点検作業

午後は時間のかかる整備や診断系の作業が中心。
「エンジンチェックランプが点いた」「ブレーキから音がする」といった点検依頼では、診断機を使って原因を特定します。

経験がものを言う作業ですが、慣れだけで進めるのは危険。
マニュアルやデータを確認しながら、間違った手順で車を壊さないよう慎重に進めます。

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お客様対応と説明

整備が終わったら、お客様へ作業内容を説明します。
交換した部品や今後注意すべき箇所を、専門用語をできるだけ使わずに説明するのがコツ。
お客様に安心して車を預けてもらえるよう、わかりやすい伝え方を心がけています。

営業・登録業務なども兼務

私は整備士でありながら、営業も兼務しています。
集金や商談、購入いただいた車の登録や納車準備など、整備以外の業務も多いです。
時間の管理が難しい反面、直接お客様と関わることで感謝の言葉をもらえる機会も多く、やりがいを感じる瞬間でもあります。

検査員としての車検業務

検査員の資格を持っているため、車検の完成検査も担当します。
ここでは、

  • 車検証と現車の同一性確認
  • 記録簿の確認と記載
  • 最終的な保安基準適合の確認

などを行います。
最終チェックを通して初めて「安全に走れる車」としてお客様に返せるため、責任感の大きい仕事です。

終業前|片付けと事務処理

17時を過ぎると、一日の作業をまとめて報告書や記録簿を整理します。
部品の在庫確認や翌日の予定を立て、工具を片付けて退勤。
整備士は分解したボルトやナットを正確に元へ戻す必要があります。だからこそ、整理整頓を徹底することがそのまま仕事の効率につながり、「できる整備士」の基本でもあります。
この「1日の締め」を丁寧に行うことで、翌日のトラブルを防ぎ、工場全体の流れもスムーズになります。

整備士という仕事のやりがい

整備士の仕事は、夏は暑く冬は寒い環境で、油やグリスにまみれながらの作業がほとんど。
決して楽ではありません。

それでも、長くお付き合いしているお客様から
「いつもありがとう」「これで安心して乗れるよ」
と言ってもらえる瞬間は、この仕事をしていて本当によかったと思える瞬間です。

車を通して何年も関係を築いていけること、それが整備士という職業の一番の魅力です。

まとめ|整備士の仕事は「安全」と「信頼」を支える

整備士の1日は、整備・検査・営業・お客様対応と多岐にわたります。
1台1台の車を安全に仕上げるために、技術と責任感の両方が求められる仕事です。

これから整備士を目指す方、整備の現場に興味がある方へ。
現場は忙しいけれど、やりがいのある世界」だということを知ってもらえたら嬉しいです。

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