【整備士が解説】スタッドレスタイヤの寿命は何年・何ミリ?6mm残りでも滑る本当の理由と交換時期の目安

目次

はじめに

「まだ溝あるし、今年もいけるでしょ?」
そう思って冬を迎えるドライバーは多いでしょう。


しかし、その“まだ大丈夫”が、一番危ないんです。
実際に私も”まだ大丈夫”怖い思いをしました。

私は2019年製のスタッドレスを履いていて、溝は6mm近く残っていました。

ところが春先の雨の日、中央線を踏んだ瞬間ーー車が外側へすっと流れ、縁石にぶつかりそうになったのです。
スピードは出ていなかったものの、原因はタイヤの“硬化”

この経験から、「溝が残っていても安全とは限らない」と痛感しました。

その感覚、実は整備士の立場から見ても非常に危険です。

この記事では、

  • スタッドレスタイヤが滑る本当の理由
  • 目安となる寿命や交換タイミング
  • 整備士目線の点検ポイント

を、写真付きで分かりやすく解説します。

1.【整備士が解説】 「溝が残ってる=使える」は間違い

1-1. 新品と6ミリ残の比較

新品(2025年)の冬タイヤ
残り6mm(2019年製)の冬タイヤ
新品(2025年製)の冬タイヤ
残り6mm(2019年製)の冬タイヤ。因みに指で挿している所はプラットホーム(冬タイヤとして使えないことを示す)です。

上の写真は新品(2025年製)と2019年製(残り6mm)のタイヤを並べた比較したものです。
→横からは同じように見えますが、ゴムの艶や質感が全く違います。溝を上から見るとはっきり違いがありますね。

新品時の溝深さは約8〜9mm、今回の6mmは見た目上ではまだ7割残りです。
それでも滑るのは、「ゴムの柔らかさ」が失われているからです。

1-2. スタッドレスの性能は“柔らかさ”で決まる

冬タイヤのトレッドは、氷雪に密着するために柔らかく設計されています。
しかし、

  • 経年でゴムの油分が抜ける
  • 紫外線・熱で硬化する

ことで、本来の性能が失われます。

実際、3〜4年目以降はゴムの硬化が顕著に進み、氷上性能が急激に低下します。

2. 整備士が教える「寿命の見極め方」

2-1. 年数と残り溝をセットで判断

スタッドレスタイヤの寿命と交換目安(整備士基準)

判定基準状態対応策
3年以内+溝7mm以上性能良好そのまま使用OK
4〜5年+溝6mm前後要点検硬化チェック推奨
6年以上 or 溝5mm以下交換推奨性能低下の可能性大
3919→2019年の39週製造のタイヤ。つまり2019年9月下旬製造

タイヤ側面にある「製造年週表示(例:1919)」のクローズアップ写真です。

※製造年の見方:最後の4桁=週+年(例:1919 → 2019年19週製造)

この数字の表記はすべてのタイヤに表示してあるので、覚えておくと交換目安がわかります。

ただし、店頭に並ぶ時期と製造時期はずれるので、時期によっては今年(2025年)新品を購入したのに製造年表示が2443などの場合もあります。

3. スタッドレスが滑る3大原因(整備士がよく見る実例)

① ゴムの硬化

2019年製の冬タイヤ。表面の色あせ、一部に茶色い変色が見られます。

表面に細かいヒビや白っぽい粉、茶色く変色している箇所が出ている場合、柔軟性が失われています。
見た目はきれいでも内部から硬化していることが多いです。

② 経年による摩耗パターンの劣化

新品(2025年)の冬タイヤ
残り6mm(2019年)の冬タイヤ

スタッドレスタイヤの“サイプ(細かい溝)”が潰れてくると、雪や水を逃がす性能が落ちます。

上の写真を見比べてもらうとはっきりと違いが分かります。新品に比べて残り6mm(2019年)の冬タイヤはタイヤの摩耗によりサイプ(細かい溝)が浅くなっています。

サイプ(細かい溝)が浅いと路面への食い込みが弱くなり、さらにゴム質が固くなることで冬タイヤが滑りやすくなります。

③ 空気圧不足

硬化+空気圧不足が重なると、接地面が均一でなくなり、摩擦力が落ちます。
整備の現場でも、「溝はあるのに滑る」タイヤの多くがこれです。

空気はほとんどどこでもタダで詰めてもらえます。

自分でタイヤ交換をした場合はガソリンスタンドや整備工場、もしくは最近の車の多くに車載しているパンク修理用のエアコンプレッサーで空気圧もしっかり確認しましょう。

4. 整備士が教える安全な交換タイミング

  • 年数目安:4〜5年 or 残り溝5mm以下
  • 夏の保管時:直射日光・高温を避ける(車庫やタイヤバッグ保管)
  • 秋口:装着前にゴムの硬さとヒビを点検

この条件を守ることで、スタッドレスの性能を最大限発揮できます。

時々タイヤ交換をしていると、残り溝はかなり残っているのに年数が経ち、固くなったタイヤを履いているお客様もいらっしゃいます。そんな時は新品タイヤへの履き替えをお勧めしています。

車を利用する頻度が低い方でもスタッドレスタイヤのコンディションはシーズン前に必ずチェックしましょう。

5. 実体験から伝えたい「滑りの怖さ」

私の場合、2019年製で溝6mm。
「もう一冬いける」と思って春先まで履いていました。

雨の右折時、中央線を踏んだ瞬間に車体が外へ流れ、冷や汗。
スピードは出ていなかったのに、コントロールを失いました。
ゴムが硬化し、路面に食いつかなかったのです。

この経験から言えるのは、

スタッドレスの命は“溝の深さ”ではなく“柔らかさ”。

命を守るための部品だからこそ、「まだ使える」で判断しないでほしいです。

6. 交換を迷ったら整備士に相談を

量販店では「溝基準」で判断されがちですが、整備士は“性能基準”で見るもの。
整備工場やタイヤ専門店で硬度チェックを依頼するのもおすすめです。

タイヤは車の中で唯一、地面と接している部品。
命を預ける最後の砦です。

もし冬タイヤがまだ使用できるのか判断がつかない時は、お気軽にプロに相談してください。

中古スタッドレスタイヤを検討している方は、実際に何年・何シーズン使えたのかも重要です。
中古スタッドレスタイヤは何年使える?整備士が実体験で解説

まとめ

  • 溝が6mmあっても、年数や硬化で滑る
  • 目安は4〜5年 or 残り溝5mm
  • 保管・空気圧・硬化チェックが長持ちのカギ
  • 「まだ使えるかも」と思ったら、整備士に相談を

冬の安心は、“まだ履ける”より“ちゃんと止まる”を優先に。

この記事が“スタッドレスタイヤ交換時期を見直すきっかけ”になれば幸いです。

※本記事は、指定整備工場での実務経験をもとに執筆しています。

「6mmあっても滑る理由は、溝以外にもあります」
スタッドレスタイヤが効かない原因5つ|溝以外で見落としがちな点

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この記事を書いた人

はじめまして、じゅきたです。
当ブログ「jukitalog.online」をご覧いただきありがとうございます。

私はこれまで某ディーラーで約10年間経験し、現在は整備士(2級整備士・検査員)として働いています。
営業と整備、両方の立場を経験してきたことから、

「なぜこの整備が必要なのか」

「どこまでがDIYで、どこからがプロに任せるべきか」

「長く・安心して車に乗るために大切なこと」

を、現場目線・ユーザー目線の両方でお伝えできるのが強みです。

現在は新車購入から9年目のコンパクトカーに乗り続けています。
実際に経験してきたメンテナンスやトラブル、
「やってよかったこと」「やらなくて後悔したこと」も含めて、実体験ベースで記事を書いています。

このブログでは主に、

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といった内容を中心に発信しています。

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