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電動パーキングブレーキ(EPB)車のブレーキパッド交換は危険!DIY整備の失敗例と正しい手順

目次

はじめに:DIY整備で広がる「電動パーキングブレーキ」の落とし穴

近年、多くの車に搭載されている電動パーキングブレーキ(EPB)。
従来のレバー式やフットブレーキ式と違い、スイッチひとつで作動する便利な機能ですが、DIY整備の際には思わぬトラブルの原因となります。

特にブレーキパッド交換では、正しい手順を踏まずに作業するとモーター破損や修理費数万円以上という大きなリスクが…。
今回はDIYユーザーが注意すべきポイントを、整備士の目線で分かりやすく解説します。

電動パーキングブレーキ車の特徴と仕組み

まず、電動パーキングブレーキ(EPB)の仕組みを簡単に整理しておきましょう。

従来型ワイヤーでキャリパーを引っ張り、ブレーキを固定
現在モーターと電子制御でキャリパーを押し広げる

つまり、ブレーキパッドを押さえているのは「電子制御されたモーター」なのです。
この構造を理解せずに従来の車と同じように作業すると、モーターを無理やり回してしまい故障につながります

電動パーキングブレーキ(EPB)車のDIYの失敗例

DIYユーザーがやりがちな失敗をまとめました。

  • サイドブレーキを解除せずにパッド交換を始める
  • バッテリーを外しただけで「解除できている」と勘違い
  • 専用の「メンテナンスモード」に入れずにピストンを押し戻す
  • 強引に工具でモーターを回してしまい、ギア破損 → モーター交換
  • シフト連動ONのまま作業し、シフト操作を行う

実際、整備業界でも「ディーラーですらモーターを壊してしまった」という事例があります。

この失敗例は整備士の講習の時にもよく聞かされます。間違ってモーターのギアが嚙み込んでしまったら、新品に交換するしか方法がありません。
DIYユーザーにとっては、リスクが高い作業といえるでしょう。

EPB車のブレーキパッド交換手順(一般向けに簡略版)

ここでは専門的な操作手順は省き、DIYユーザーが最低限知っておくべき流れを解説します。

サービスマニュアルを必ず確認

メーカーや車種ごとに「メンテナンスモード」や「サービスモード」の入り方が違います。

診断機または専用手順でEPBを解除

診断機(OBD接続)を使う場合が多いですが、一部の車種はスイッチ操作で解除可能。

ピストンを押し戻す

この時、EPBが解除されていなければモーター破損のリスク大。

交換後、再度「初期化」

正しくモードを戻さないと、警告灯が消えない・ブレーキが効かないなどの不具合につながります。

DIYユーザーへの注意喚起

ここで強く伝えたいのは「整備マニュアルなしでの作業は危険」ということです。

  • 車種ごとに解除方法が違う
  • 専用診断機が必要なケースが多い
  • モーター交換は数万円以上の修理費

つまり、昔の感覚で「ブレーキパッドくらい自分で交換できる」と思うと危険です。

安全に整備するための選択肢

ではDIYユーザーはどうすべきでしょうか?

確実に自分でやりたい場合

  • まずは車種専用の整備マニュアルを必ず入手してください。
    ネットに断片的な情報はありますが、手順が1つ違うだけでエラーが消えなくなったり、最悪モーターを壊すリスクがあります。
  • 次に、OBD診断機を準備する必要があります。
    安価な汎用機ではEPB解除に対応していないこともあるため、購入前に「対応車種」「EPB機能あり」を必ず確認しましょう。価格は1〜3万円程度が目安ですが、使えるかどうかで作業の成否が決まります。
  • また、作業中にトラブルが発生しても自己解決できる知識が必要です。
    中途半端な準備で挑むと、結局レッカーや工場依頼で余計な出費につながります。

不安がある場合

  • 「少しでも不安がある」「診断機までは買えない」という方は、無理にDIYせず整備工場に依頼するのがベストです。
  • 一般的なブレーキパッド交換工賃は1〜2万円程度。ディーラーや整備工場に依頼すれば、専用診断機で確実に作業してもらえます。
  • もしDIYで失敗してモーターを壊した場合、部品代だけで数万円+工賃となり、結果的にプロに頼むより高くつくケースがほとんどです。

つまり、「自己満足のDIY整備を優先するか、安全とコストを優先するか」が判断基準になります。
整備経験が豊富な方なら挑戦の価値がありますが、そうでなければプロに任せる方が確実に安心です。

FAQ例

電動パーキングブレーキ(EPB)車でもDIYでブレーキパッド交換はできますか?

可能ではありますが、車種ごとに専用手順があり、診断機や整備マニュアルが必須です。
準備が不十分なまま作業するとモーター破損など高額修理につながるため、初心者には推奨できません。

EPB解除に診断機は必ず必要ですか?

多くの車種では必要です。
ただし一部の国産車や輸入車には「ペダル操作+スイッチ操作」で解除できるメンテナンスモードがあります。必ず取扱説明書や整備マニュアルを確認しましょう。

DIYで失敗すると修理費はいくらかかりますか?

モーター交換だけで部品代3〜5万円+工賃が発生することがあります。場合によっては10万円近くかかることもあります。

EPB搭載車のブレーキパッド交換をDIYするメリットは?

工賃を節約できる点と、作業を通じて仕組みを理解できる点です。
ただし専用工具の準備が必要で、失敗リスクも高いため「整備経験がある方」以外にはあまりメリットは大きくありません。

ディーラーと町工場、どちらに依頼すべき?

一長一短があるため、状況によって使い分けるのがおすすめです。
ディーラーに依頼するメリット

  • メーカーの最新マニュアルや専用テスターで診断できる
  • 純正部品を使うため安心感がある

町工場に依頼するメリット

  • 工賃がディーラーより安い傾向にある
  • 部品の選択肢が広く(社外品やリビルト品など)、予算に応じた修理が可能

まとめ:DIY整備は「知識と準備」が必須

電動パーキングブレーキ車のブレーキパッド交換は、従来車と違って電子制御の知識が欠かせません。

  • 間違った方法で作業するとモーター破損のリスク大
  • サービスマニュアルと診断機がないと正しく整備できない
  • 依頼すれば、工賃1〜2万円程度でプロが確実に作業してくれる

DIYは楽しく学びになる一方で、電動パーキングブレーキに関しては失敗のリスクが高く、「整備士でさえ壊してしまう」ケースもあります。

結果的に、安全面・費用面を考えても整備工場に任せるのが最も安心で確実な選択肢です。

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